LYNXTechnik

事例紹介 株式会社マグナックス様
イベント現場で「安心」を届ける、yellobrik光ファイバーコンバーター

株式会社マグナックス様はアニメ、ゲーム、音楽など多様なジャンルのイベントにおける映像・音響の技術支援を行うプロフェッショナル集団です。特にライブイベントや配信現場での高精細・高信頼な映像伝送を強みとし、進化を続ける映像技術に対応する柔軟なソリューションを提供しています。
今回は、機材選定や全体構成に携わる森口様と 現場でセッティング機会がの多い竹内様より、yellobrik導入に至った背景や運用して現場で感じた変化についてお話しいただきました。

営業部 竹内 愛奈 様 技術部 森口 幸輝 様
映像伝送の課題
近年、イベント会場の大型化や映像素材の高精細化が進み、12G-SDIをはじめとする高ビットレートの信号を長距離多チャンネルで伝送するニーズが急増しています。
弊社は これまで長距離伝送にマルチモードファイバー仕様の光コンバーター(他社製)を使用していました。
※ 中短距離はBNCケーブルによるSDI伝送
しかしマルチモードファイバーやBNCケーブルによる運用では、配線量、伝送距離、信号劣化といった物理的な課題が現場の負担になっていました。
【現場の課題】
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12G-SDIの50mを超える伝送
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煩雑なケーブルの配線・設置作業
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導入済み光コンバーターの製造中止とアフターフォロー体制への不満
これらの課題解決のため、新たな機器リサーチを開始しました。
ご採用製品

OTR 1A41, OTR 1A42
8K(12G-SDI Quad-Link)ファイバー伝送システム
OTR 1A41、OTR 1A42は、4系統の12G-SDI信号(8K/48G対応)を1本の光ファイバーで送信できる伝送キットです。
送信機・受信機がセットになっており、最大4チャンネル12G-SDI信号を非圧縮で劣化や遅延なく伝送できます。
OTR 1A41、 OTR 1A42をカスケード接続することで8系統の伝送に対応

OBD 1514 E
1 Gbit/s Ethernet WDM搭載光ファイバートランシーバー
OBD 1514 E は、1GbE信号を長距離伝送するためのイーサネットスイッチです。
WDM技術を使い単芯ファイバーで双方向通信を行います。
各モジュールにはRJ45ポートが2つあり、システム全体で4ポートのスイッチとして機能します。
yellobrikを選んだ経緯
現場の課題を解決するため、各メーカーの光コンバーターを模索していた時に、社内のスタッフから「yellobrikを検討してはどうか?」との提案を受けました。
LYNX Technik の日本総代理店 株式会社ガンスイの営業担当より、課題解決のため シングルモードファイバー仕様の光ファイバーコンバーター『yellobrikシリーズ』の導入を提案いただきました。
同シリーズは「動作安定度について業界での評価が高い」との説明を受け、デモ機による社内検証を実施したところ、伝送安定性と他社製品を上回るノイズ耐性を確認できたため導入検討へと進めました。
決め手は“安心感”
機器選定にあたり重視したのは信頼性です。我々の業務は“失敗できない一発勝負”のイベントが多いため、機材の信頼性が非常に大切です。
そしてプロの道具として “誰でも迷わず使える安心感”が、現場の緊張を増やさないという意味でも重要なのです。
LYNX Technik は放送業界向けの機器メーカーなので、性能はもちろん そういった「信頼して使える安心感」が選定の最大の決め手となりました。


マルチモードからシングルモードへ
映像を長距離伝送しようとするときBNCケーブルでは充分な距離が延ばせません。また、当時使用していたマルチモード仕様の光コンバーターも、生産終了に伴いサポートが期待できなくなりました。
そこでこの機会に、マルチモード仕様から、現在主流のシングルモード仕様へ、コネクターもSCタイプからLCタイプへの移行を考えました。またシングルモードなら、WDM機能(波長分割多重)により1本で複数チャンネルの伝送が可能である点は重要なポイントでした。
4チャンネル送信機/受信機 OTR 1A41・OTR 1A42で実感したメリット
一般的に光伝送は、SDI信号1チャンネルにつき光ケーブル1本が必要ですが、yellobrik(OTR 1A41・OTR 1A42)なら光ケーブル1本で4チャンネル、2機種をカスケード接続すれば8チャンネル、または4チャンネル双方向の伝送、Ethernet光トランシーバー(OBD 1514 E)とカスケード接続すればSDI 4チャンネル+ネットワークの伝送も可能です。
CWDM機能(粗波長分割多重)の搭載により、ケーブル1本で多チャンネル送信できる仕様は大きなメリットだと感じました。
セッティング例

セッティング A
12G-SDI 8チャンネル
1芯伝送

セッティング B
12G-SDI 4チャンネル双方向
1芯伝送

セッティング C
12G-SDI 4チャンネル
1Gbps イーサネット信号
1芯伝送
機器の発熱問題
従来使用していた光伝送モジュールは、手で触れない程発熱したり、その冷却のためにファンが回り騒音や振動が発生したりしましたが、yellobrikは長時間稼働してもほとんど熱を持ちませんでした。
この種の機器は熱によりトラブルが発生する事が多いため、その点でも好印象を持ちました。
伝送距離と光ケーブルの耐久性の課題
現場では、光コンバーターの出先とベース間は200~300mくらいの距離で運用することが多いのですが、マルチモード仕様だと伝送距離の余裕が少なく 若干の不安がありました。
また、使用していたケーブルは一般的な被服のものだったため、踏んだり引っ掛けたりする事による断線のリスクもありました。
yellobrikのシングルモード仕様のコンバーターであれば、伝送距離の(実質的な)制約も無く、ケーブルの耐久性能に関してもガンスイより紹介いただいたアーマード仕様ケーブルの使用を前提とすることで、断線の不安も払拭されました。
導入効果
「一発勝負」の現場で求められる、高い“信頼性”
従来は、“信号が通らない”“安定しない”といった不具合が起きることもありました。
yellobrikを導入してからは光ファイバー1本で8チャンネルの映像を安定して伝送できるようになり、これまでトラブルは一度もありません。
設営時間について
複数チャンネルを送信する際、従来はコンバーターを系統ごとに1台1台バラバラに出してセッティングしなければなりませんでした。また映像の系統数にプラスして制御信号も別の光ケーブルで送る必要があり、現場のセッティングが面倒でした。
ガンスイに特注したトランクケース収納仕様では、複数のyellobrikモジュールがケースに一括収納してあります。
送信と受信それぞれのケースを現場で配置後、送受信のケース間に光ケーブルを1本引くだけで出先とベース間は設置完了です。
設置後はSDI信号(BNC)や制御信号(RJ45)のケーブルをケースのコネクターパネルに差し込むだけで個々の機器との接続ができるため設営時間はかなり短縮できました。
LEDインジケーターで信号状態もすぐに確認できるので非常に便利です。

yellobrikに対する今後の期待
yellobrikシリーズを使えば高画質で、ビットレートの高い12G-SDI伝送でも実質的に距離の制限がありません。
※イベントで5kmを超えるような伝送は基本的にありません。
また、光ケーブル1本で映像だけではなく音声やLANなど他の信号もまとめて伝送することが可能なるため、今後増加する4K・8K案件にも柔軟に対応可能です。
拡張性を考えてもシングルモードの光が圧倒的に有利であり、今後も主流になると考えています。
光伝送機器で豊富なラインナップとノウハウを持つLYNX Technik / yellobrikシリーズの今後に期待しております。
比較のポイント
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熱対策:省電力で低発熱、ファンレスの静音設計
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作業性:ケーブル1本で伝送、設営の手間が低減
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信頼性:高帯域・ジッターなし、安定動作
マルチモード仕様
光コンバーター
yellobrik
(OTR 1A41/OTR 1A42)
シングルモード仕様
ケーブル接続
映像と制御で各1本、最低
合計2本の光ケーブルが必要
1本の光ケーブルで映像(最大4チャンネル)+制御信号を同時伝送
伝送チャンネル数
ケーブル1本で
1チャンネル/1台
ケーブル1本で
4チャンネル/1台
カスケード接続で8チャネル/2台 伝送可
発熱・冷却
発熱あり
空冷ファンによる騒音・振動が発生
長時間稼働でも低発熱
ファンレス設計
収納・設置
個別のモジュールごとに機器の
セッティングが必要
系統の本数分 光ケーブルの接続が必要
トランクケースにモジュールを一括収納
拠点間は光ケーブル1本の接続でOK
ソースからのBNCを収納ケースのコネクターに接続するだけで設営完了
その他
LEDインジケーター付
接続状況が一目で分かる
運用のリアルから導き出した、yellobrikという選択肢
常に最適な機材を選び、多くの映像伝送ソリューションを使い分けるマグナックス様。
そんなプロフェッショナルの視点から、性能はもちろん、接続のシンプルさや冷却設計、見やすいインジケーター表示など、日々の現場での負荷軽減も重視し、yellobrikをご選定いただきました。
今後も充実したラインナップをご提供するLYNX Technik にご期待ください。
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LYNX Technik 日本総代理店
株式会社ガンスイ